「British Chess Magazine」2009年10月号(4/4)
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棋譜のデパート(続き)
新潟親善チェス大会
白 小島慎也
黒 サム・コリンズ
イギリス布局 [A30]
1.Nf3 Nf6 2.c4 e6 3.g3 b6 4.Bg2 Bb7 5.O-O c5 6.Nc3 Be7 7.d4 cxd4 8.Qxd4 d6 9.Bg5
9...a6
9...Nbd7 もあり 10.Nb5 d5 11.cxd5 Bxd5 12.Nc3 で白が少し有利である。
10.Bxf6!?
後で分かったがこの手が主手順だった(もっとも私はよく知らない戦型だった)。
10...Bxf6 11.Qf4
11...O-O
11...Bxf3 12.Qxf3 Ra7 もある。このルークはd7へ回ってdポーンを守ることができる。11...Bxc3 はあまり考えられない。以下は 12.bxc3 Bxf3 13.Bxf3 Ra7 14.Rfd1 Rd7 15.Rab1 Qc7 16.Qd4
(クラムニク対リュボエビッチ、メロディーアンバー快速戦、1998年)となってポーンが落ちた。
12.Rfd1 Be7 13.Ne4
13...e5?!
この手が成立しない可能性は大いにあり得る。私はどうしても 13...Bxe4 と指す気がしなかった。というのは小島選手好みの局面になるのが明らかだったからである。しかし本筋の手順は 13...Bxe4 14.Qxe4 Ra7 15.Nd4 Rc7 16.b3 Rc5
で、白がわずかに有利なだけである。2004年モスクワでのカスパロフ対アダムズ戦では45手で引き分けになった。
14.Qe3
14...f5?
この手は明らかに指し過ぎである。しかしコンピュータの電源を入れるまで戦術的に欠陥があることに全く気がつかなかった。14...Qc7 と指す方が良かったがそれでもいつのまにか白枡をひどく痛めていたようで、とりわけ 15.Nc3 に対して 15...Qxc4? は 16.Nxe5 があるので指せない。
15.Neg5?
白は手筋を見逃した。15.Nxd6!! がまさにその一発である。15...Bxd6 16.c5! で、展開が悪いのに殴り合いを始める危険性がきれいに示される。
15...Qc8
これで戦闘再開である。
16.Qxb6 e4 17.Qb3 exf3 18.c5+
18...Kh8
18...d5 はb7のビショップが死ぬしh1-a8とa2-g8の斜筋に戦術的な問題を作り出すので指したくなかった(おかしなことにここではそれを気にしていたが15手目では白の手段をまったく見落としていた)。実際次のように私の判断は正しかったようである。19.Bxf3! Kh8(19...Bxg5 は 20.Bxd5+ Bxd5 21.Qxd5+ Kh8 22.Qxa8 Qxc5 23.Qb7 で同じになる)20.Bxd5 Bxd5 21.Qxd5 Bxg5 22.Qxa8 Qxc5 23.Qb7
私の駒の連係が実戦よりはるかに悪い。
19.Nf7+ Rxf7 20.Qxf7
20...Bf8
20...fxg2 は対角斜筋をふさぐので指したくなかった。21.Qxe7 で白が優勢で 21...d5 で踏ん張らないといけないが黒陣が形が悪い(リブカは互角と判定しているが)。20...fxe2 も 21.Bxb7 exd1=Q+ 22.Rxd1 で戦術で虐殺される。(20...fxg2 につぐ)リブカの次善手は 20...Qf8 だが、奇妙なことに見るからに受け身で重要な二箇所の侵入口を押さえている黒クイーンの方が「圧倒的」な白クイーンよりも重要である。以下は 21.Qxf8+ Bxf8 22.Bxf3 Bxf3 23.exf3 dxc5 24.Rd8
で白が勝つ。
21.Bxf3?
これで白の優勢が全部吹き飛び、客観的に黒が指せてしかも指し易い局面になった。21.exf3! の方が厳しくて良い手である。その素晴らしい戦術上の要点は 21...dxc5? に 22.Bh3!
があることで、22...g6 は 23.Qf6+ から 24.Rd8(+) があるので不可能である。リブカの挙げる手順は 22...Bc6 23.f4!!(23.Bxf5 は 23...Ra7 24.Qh5 g6 25.Bxg6 Rg7 で白のポーンが多過ぎるが黒もなんとか踏ん張っている)23...Bd7 24.Rxd7!! Nxd7 25.Bxf5 Qb8 26.Qxd7 Qxb2 27.Rd1
で白が1ポーン得で攻勢に立っている。27...Qxa2? は相手にされず 28.Be4 Rb8 29.Qf5 Qg8 30.Rd7 で負ける。
21...Bxf3 22.exf3 dxc5
23.Rd5
これが私の期待していた手だった。ここでも白には手筋の一撃があった。23.b4! の方が厳しい手で、次のように黒から中央の拠点を奪う。23...Nc6(23...cxb4?? は 24.Rac1 Nc6 25.Qd5 で白の勝ち)24.bxc5 Ra7 25.Qd5 で2駒の代わりにルークと2ポーンを得て白が優勢である。
23...Nc6 24.Qxf5 Qxf5 25.Rxf5 Nd4 26.Rf7 Kg8 27.Rb7 Nf3+ 28.Kg2 Nd4
これで万全の局面になった。白は2ルークで何とかしようともがいている。
29.Rc1 a5 30.Rc4 Ra6 31.b3 h6 32.a3 Ne6 33.f4 Kh7 35.f5
これは敗着になると思ったが実際はh列が素通しになるにもかかわらず白が受け切れる。
34...Nd4 35.g4 h5 36.h3 hxg4 37.hxg4 Rh6 38.Rd7 Bd6
39.b4?
持ち時間切迫で白はあわてた。39.Rc3 なら3段目を守りこちらの ...Rh2+ から ...Bg3 の狙いを防いでいた。
39...axb4 40.axb4 Rh2+ 41.Kf1 Bg3 42.Rdxd4 cxd4 43.Rxd4 ... 0-1
この後も指し手はもっと続いたのだが持ち時間切迫で記録できなかった。しかし白のポーンを取り自分のは守りきることができた。
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(この号終わり)